今回は2021年冬アニメの【はたらく細胞BLACK】の感想・レビューです。
感想はネタバレなしとネタバレありを分けています。
ネタバレなし感想を見てこの作品が気になった方は、先にアニメを見てみてください!
この「はたらく細胞BLACK」という作品は、人の細胞たちを擬人化した「はたらく細胞」のスピンオフです。自分は「はたらく細胞」の1期が好きなのですがこの2つは全然違います。
例えるなら、「はたらく細胞」が理科の教科書なのに対して、「はたらく細胞BLACK」は保健の教科書です。
主人公の赤血球が働いているのは劣悪な体内環境を持つ体です。その体の持ち主は喫煙やアルコールなど、やりすぎると体に良くないことをしてます。
一度、自分の体で考えてみてください。「自分には関係ない」「自分の体は大丈夫」と思う人もいるでしょう。でも、喫煙やアルコールはもちろん、肥満や偏った食生活、性病や生活習慣病、そして、ストレスなど、当てはまる人もいるのではないでしょうか。この物語の体よりはましだと思いますが、それが悪化するとどうなっていくのかをこのアニメでは描いています。自分は他人事とは思えなかったです。
この作品ではこの劣悪な体内環境をBLACK企業に喩えており、細胞たちはそのBLACKな労働環境で働いています。主人公の赤血球もその1人で、酸素運送作業をまじめにこなしています。そして、それがいつかこの体内環境の改善につながることを信じています。
しかし、現実はそこまで甘くなく、どんどん体内環境は悪くなります。何かが解決しても、次の脅威がすぐにやってきます。それでも、細胞たちは働きます。それが仕事であり、この体を良くすることにつながっていると信じて。
その頑張りをみて、細胞たちを応援したくなります。
それでも悪くなる体内環境。そして訪れる絶望的な状況。その中で細胞たちは希望を見出せるのか。
この作品は、離れることのできないBLACKな環境という絶望と、それでも希望をもって働き続ける細胞たちの物語でした。
面白かったです!
アニメ【はたらく細胞BLACK】 作品情報
TVアニメ「はたらく細胞BLACK」は「はたらく細胞」のスピンオフ漫画が原作です。2021年の冬アニメで全13話です。
劣悪な体内環境をブラックな労働環境に喩え、そこで働く細胞たちの姿を描いています。
あらすじ
毎日せっせと体中に酸素を運ぶ、
©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社・CODE BLACK PROJECT
新米赤血球。
しかし彼の職場の労働環境は、
徹底的にブラック──!!
飲酒、喫煙、ストレス、睡眠不足……
不健康の総合商社のような世界で、
過重労働の末に細胞たちは何を思うのか?
これは、あなたの体の物語──。
アニメ【はたらく細胞BLACK】感想(ネタバレあり)
アニメ【はたらく細胞BLACK】のどこが一番良かったか
この「はたらく細胞BLACK」で一番良かった部分は、この物語が最悪な状況へと転がっていくところです。どんどん、体内環境が悪くなっていくことで、その中で働いている細胞を応援したくなっていきました。
そして、この話のいく先が世界滅亡や人類絶滅のようなファンタジーな終わり方ではないことを自分たちは知っています。
それは死です。
それも事故などの偶発的なものではなく、自分の生活習慣によって引き起こされます。そんな時でも、細胞は自分たちの役割を投げ出すことを絶対にしません。そんな細胞たちを応援したくなりました。そして、自分の体も少しは労わってあげようと思います。
この絶望的な状況に向かっている中でも、一筋の希望を探してはたらく細胞たちがこの物語の魅力だと思います。
主人公の赤血球と細胞たち
主人公を「はたらく細胞」と同じ、赤血球にしたのも良かったと思います。赤血球は体中に酸素を運びます。この主人公は酸素を運ぶために色々な場所に行き、悪化している体内環境とその場所で働く細胞と出会います。赤血球はその細胞たちを見て、体の場所ごとにそれぞれ大事な仕事をしており、自分もまた、酸素を運ぶという大事な仕事をしていることが分かります。最終話の蘇生から、体中に酸素を送るために、赤血球たちが頑張っている姿はかっこ良かったです。
赤血球も含め、他の細胞たちも自分のすべき仕事を頑張っています。でも、それが無意味なものになったり、頑張っていることが裏目に出てしまったり、もしくは劣悪な環境によって満足に働くことができなかったりします。自分たちの世界でもありがちですね(笑)。
でも、細胞たちは働き続けます。この体を守るために。この仕事がこの体を良くすると信じて、そして、働くことが誰かの助けになることを信じて。こんな世界でも、みんなが助けあっているのはいい部分だなと感じました。
「はたらく細胞」とは違う
この「はたらく細胞BLCAK」は「はたらく細胞」のスピンオフですが、この2つは全然違います。
例えるなら、「はたらく細胞」が理科の教科書なのに対して「はたらく細胞BLACK」は保健の教科書です。
「はたらく細胞」ではある程度の人がかかる病気などが問題として発生します。こちらは、体の持ち主はそこまで関係なく、体の構造がどうなっているか、細胞たちはどう動くかなどの[理科]の話です。
「はたらく細胞BLACK」は、問題の原因が体の持ち主の行動にあります。そして、その問題を細胞たちは解決しようとするのですが、大体は薬や医療によって解決されます。これは健康を守り保つために必要なこと、やってはダメなことが描かれている[保健]の話です。なので、体の持ち主の意識、行動が変わることでしか、この劣悪な体内環境は改善させません。
また、このアニメの1話は
原因(体の持ち主のストレスなどからの行き過ぎた行動や、健康に対する浅い考え)
→体に問題が発生
→細胞たちがどうにかしようとする
→解決
→次の脅威(どんどん悪化)
のようになっており、「はたらく細胞」のようにすっきりした終わりはしません。細胞たちもどんどん死んでいきます。自分的にはこういう風に残酷に描いてくれてよかったと思います。
健康には気を付けよう
アニメでは、喫煙→アルコール→性病→ストレスでの脱毛症→尿路結石→カフェイン中毒→エコノミー症候群→水虫→胃潰瘍→痛風→心筋梗塞という感じで進んでいきます(あらためて見るとひどい)。20歳を過ぎれば、どれか1つはなったことがあると思いますし、なかったとしても、周りの人に何人かはそういう人がいると思います。
このアニメでは何が原因で、体の中ではどうなっていて、どういう治療がされるのかという部分が描かれています。これらのことを本を読むより分かりやすく学べるのはいいことだと思います!
医療ってすごい
この作品で思ったことの1つとして[医療のすごさ]があります。色々な症状、問題が出てきましたが、どれも最終的には医療によって解決がされていました。どの問題も100年前なら死んでいてもおかしくないと思います。特に最終話のステント治療は拍手したくなるくらい素晴らしい技術だなと感じました。
体内環境が改善したところで、アニメ「はたらく細胞」の一期の最終話と同じように輸血が行われます。この医療行為によって、赤血球たちはまた違う劣悪な環境に来てしまいます。「はたらく細胞」では援軍として描かれていた輸血が、「はたらく細胞BLCAK」では赤血球たちをまた劣悪な環境に連れていくために使うのは面白いと思いました。
この作品を見て自分の体も心配になったので、生活習慣を見直していきたいと思います!(簡単にできればいいのですが(笑))
最後に
今回はアニメ【はたらく細胞BLACK】の感想・レビューをしていきました。
面白かったですし、2期も見たいですね!
他のはたらくシリーズもアニメ化するのも楽しみですね。
それでは
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